「kintoneって結局何ができるの?」——公式サイトを見ると「業務改善プラットフォーム」としか書いておらず、具体的に自社の何が良くなるのかイメージできない。そんな状態ではないでしょうか。
じつは、kintoneは「何でもできる」と紹介されがちですが、実務で使うとできることと、できない(向かない)ことがはっきりしているツールです。
私は中小企業の実務でkintoneを日常的に使っている担当者です。この記事では、導入検討の判断材料になるように、実際にできたこと3つと、できなかった・向かなかったこと3つを正直に書きます。
読み終えて頂ければ、「うちの会社に入れる価値があるか」を自分で判断できるようになります。
30秒でわかるkintone
kintone(キントーン)はサイボウズが提供する業務アプリ作成ツールです。一言でいうと「Excelで管理しているアレを、プログラミングなしでWebシステムにできる」もの。顧客リスト、案件管理、日報、申請フロー……散らばったExcelファイルを、複数人で同時に使えるデータベースに置き換えられます。
実際にできたこと3つ
できたこと1: 「Excelの奪い合い」が消えた
案件管理をExcelでやっていた頃は、「誰かが開いていて編集できない」「最新版がどれかわからない」が日常でした。kintoneに移してからは全員が同時に同じデータを見て編集できるので、「最新版どれ?」という会話自体が消滅しました。これだけで導入の元が取れたと感じています。
うちの場合、最初に移行したのは案件と要員の管理表でした。
以前は「案件一覧.xlsx」を複数人で回しており、商談の進捗を更新しようとしたら誰かが開いていて待つ、古いファイルを上書きして履歴が飛ぶ、という事故が定期的に起きていました。kintoneに移してからは、案件のステータス変更も担当のアサインも各自がその場で更新でき、営業会議は「最新の一覧画面を映すだけ」になりました。
できたこと2: 集計・絞り込みが「一覧画面」で終わる
「今月のステータス別の案件数は?」のような集計が、関数もピボットテーブルも組まずに、一覧画面の絞り込みとグラフ機能だけでできます。Excelが得意な人にしかできなかった作業が、全員のものになるのは想像以上に効きます。
できたこと3: 現場の「ちょっとした管理表」を自分たちで作れる
エンジニアに頼まなくても、ドラッグ&ドロップでアプリ(管理表)を作れます。備品管理、問い合わせ対応、採用進捗……「Excelで新しい表を作る感覚」で業務システムが増やせるのがkintoneの本体です。
できなかった・向かなかったこと3つ
できなかったこと1: 「Excelの複雑な計算」の再現
Excelの複雑な関数・マクロで組んだ帳票をそのまま移植しようとすると壁に当たります。kintoneの計算機能はシンプルなので、複雑な計算ロジックはExcelに残すか、設計を見直す必要があります。「ExcelのWeb版」を期待すると裏切られます。
できなかったこと2: 見た目の細かい調整
帳票の印刷レイアウトや画面デザインの自由度は低めです。プラグイン(有料含む)で拡張できますが、「この位置にこの項目を」のような細かい要望を追い始めると、コストと手間が膨らみます。
できなかったこと3: 「導入しただけ」での定着
これが一番大事です。kintoneはツールを入れただけでは何も変わりません。**「どの業務を、誰が、どうアプリ化するか」を決めて回す人(社内の推進役)がいないと、確実に放置されます。**うちも最初の数ヶ月は一部の部署しか使わず、定着には運用ルールの整備が必要でした。
kintoneが向いている会社・向いていない会社
向いている:
Excelでの共有管理に限界を感じている/現場主導で少しずつ改善したい/IT専任者はいないが、社内に「推進役」を置ける
向いていない:
複雑な計算・帳票をそのまま移したい/完成されたパッケージ(会計・給与など専用ソフト)で足りる業務/推進役を置けない
会計のような「型が決まった業務」は、kintoneで自作するより専用ソフトが確実です。うちも会計はfreee、汎用の業務管理はkintoneと使い分けています。
よくある質問
Q. 料金は?
A. 1ユーザーあたりの月額制です(プラン改定があるため公式サイトで最新を確認してください)。全社導入でなく、まず1部署から始められるのがクラウドの利点です。
Q. プログラミング知識は必要?
A. 基本のアプリ作成には不要です。ドラッグ&ドロップで作れます。凝った連携をしたくなったら、プラグインや外部連携サービスで拡張します。
Q. Excelから移行するコツは?
A. 「一番困っているExcelファイル」を1つだけ選んで移すことです。全部を一気に移そうとすると挫折します。
まとめ
- kintoneの本体は「ExcelをWebデータベース化して同時編集・集計を楽にする」こと
- 複雑な計算・帳票の再現と、細かい見た目調整は苦手
- 成否はツールではなく「社内の推進役」で決まる
- まず1つのExcelファイルfrom小さく始めるのが定着の近道
30日間の無料お試しがあるので、「一番困っているExcel」を1つ移してみると、この記事の内容が実感できるはずです。


